IDC

日本でインターネットデータセンタ(IDC)を借りようとすると、NTTやKDDI、ソフトバンク、KVHなどがグループで展開している通信事業者系のIDC、ビットアイルやさくらインターネットなど独立系のデータセンタ事業者によるIDC、CTCや丸紅アクセスソリューションズなどのSIerが展開するIDC、メーカー系のIDCなど様々な提供元の選択肢があります。またこれらのデータセンタに独自の付加価値を加えて再販している事業者もいるため幅広い選択肢が考えられます。

中国におけるインターネットデータセンタ(IDC)の選択肢

ところが中国の場合にはあまり選択肢は豊富ではなく、以下のカテゴリのいずれかに概ね当てはまります。

・中国電信(China Telecom)、中国聯通(China Unicom)など通信事業者が提供しているIDC(通信局舎などを改造して提供している施設も多い)
・SDS(上海数讯, Shanghai Data Solutions)などの、通信事業者と地方政府の合弁企業が持つIDC
・iAdvantageなどの、外資と政府機関との合弁企業が持つIDC
・21vianet(世紀互聯)、GDS(万国数据)などの民間事業者のIDC
・NeuSoft(東軟集団)などのSIer/アウトソーシング事業者が持つIDC
・上記の5種類のデータセンタを再販している事業者を介した契約(Equinix など)、または上記事業者との合弁で展開している外資系事業者

このうち、数としては圧倒的にCT/CUCなどの通信事業者が持つIDCが多く、全体の数で見れば8割から9割がこのカテゴリにあてはまると見ています。特に、北京・上海・広州・大連など大都市以外の地域ではその比率は高いといえます。他方、上記のカテゴリにあてはまらない(あてはめられないという言葉が適切かも?)IDCとして、民間企業や政府系企業が所有する「サーバルーム」をデータセンタだと称して使わせているケースもあります。実際に見てみると、10ラック程度の「サーバルーム」から、数十~100ラック程度の少し大きな規模のものまで様々です。ただ、これらはその所有企業と直接の関係があるところでしか使うことが出来ないことが一般的です。(まれに政府系の建物の中に設備があるところもありますが、そのような場所での提供における免許関係は不明です)

中国のIDC事業者

ここでは、中国のIDC事業者をいくつかご紹介します。これ以外にも小規模・中規模なIDC事業者は色々とありますが、下記の4社は海外顧客なども持っており、比較的リファレンスがとりやすく、レピュテーションがある程度存在している事業者です。

・世紀互聯(21vianet)
北京本社のデータセンタ事業者。海外の投資家からの資金調達により成長。北京市内の自社データセンタと、地方に再販型データセンタを所有。KDDIは21vianetと提携して、Telehouseブランドのデータセンタを北京で運用中。

・CST-iAdvantage(中科互联优势)
香港iAdvantageと中国科学院の计算机网络信息中心(CNIC)による合弁企業。上海中环广场と、北京の王府井のビルの2か所でデータセンタサービスを提供。

・GDS(万国数据)
深圳で創業したデータセンタ専業事業者。当初は深圳発展銀行向けのDR向けDCを構築。広東発展銀行や国家開発銀行など金融機関向けのDRサービスなどを主として、IDC分野へ展開。

・SDS(上海数讯)
上海張江高科技園区、上海大众交通、上海電信(中国電信の上海子会社)などによる共同出資会社。上海張江ハイテクパーク内のデータセンタの運営以外に、ISPサービス、ファイバ網の運用管理も。

中国における公式なインターネットデータセンタに関する統計やリストは今のところ存在していないため、いきなり日本から飛び込んでいく場合には特に手探りでデータセンタを探すことになります。しかし、最低限、どのようなカテゴリの事業者がいるかという点について知っておくことで、それぞれの宣伝文句の立場が理解できるのではないかと思います。

※本記事は2011年1月13日にchinainternetreview.comに掲載したコラムを加筆・訂正したものです。